SWGとは主にクラウドで提供されているプロキシの一種で、従来のプロキシサーバが持つ機能に加えて様々なセキュリティ機能が搭載されているという特徴があります。クラウドサービスやテレワークの普及により、社内と社外を分けるネットワークの境界線が曖昧になりつつある現在、従来のようなネットワークの境界線を監視するだけでは十分なセキュリティレベルを維持することはできません。このような背景から、近年では社内からのアクセスであっても信頼しないゼロトラストと呼ばれる考え方が注目されていますが、このゼロトラストセキュリティを実現する要素のひとつがSWGとなります。また、SWGと似た役割を担う存在としてCASBがあります。
CASBはアメリカのガードナー社が提唱した、クラウドサービスの安全な利用を実現してくれるセキュリティソリューションです。ユーザーとクラウドサービスの間に配置され、利用状況の可視化やアクセス制御、マルウェア対策などを担います。ユーザーとネットワークの境界上で働くという点ではSWGと共通していますが、外部ネットワークへの全てのトラフィックを監視するのではなく、クラウドサービスへのアクセスに特化しているのが特徴です。SWGでもクラウドサービスを監視することは可能ですが、クラウドサービスに特化したCASBの方が細かな制御が可能です。
そのため、これらはどちらか一方だけ導入すれば良いというものではなく、適切に併用していくことが求められます。近年では、それぞれの機能を統合したソリューションも登場しています。